portrait/landscape (縦/横向き)
2005年 04月 22日
その昔は写真撮影といえば、素人でもそれなりの知識や技術が必要な趣味の領域であったが、AF(オートフォーカス)カメラが出現するに至って、距離計(rangefinder)や露出計(exposure meter)を頼りに焦点距離や絞りをいちいち調整することなく、誰でも手軽に写真が撮れるようになった。
とはいえ、写真の構図くらいは、撮る人が自分で決めないといけない。普通はそのまま横向きの画像で撮ることが多いだろうが、人物の全身を撮るなら縦向きにしたほうがいい場合もある。
この「縦向き(縦長)」と「横向き(横長)」を英語で言う場合、日本語の発想そのままにそれぞれverticalと horizontalと言ってもいい。たとえば、「写真を縦向きに撮る」はtake a vertical shotという。
しかし、英語にはこれとは別に、portrait(縦向き)、landscape(横向き)という言い方がある。portraitには「肖像画」、landscapeには「景色」という意味があり、おそらくはそういう用途に由来した言い方だろう。今日ではその原義とは別に、画像や用紙の向きについて「縦向き」「横向き」という意味でも使われている。
たとえば、この意味のportraitを使ってdisplay the document in portrait orientation(文書を縦長に表示する)ように言うことができる。
(メルマガ「英語屋さんの作りかた」第3号掲載) ©Yoshifumi Urade 2003