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by eigoyasan
先日総選挙があった日本の衆議院の英文名称はthe House of Representativesだが、英語のニュースメディアではよくthe Lower House(下院)と呼ばれている。一方の参議院のほうも、the House of Councillorsという英文名称よりもthe Upper House(上院)のほうが通りが良いみたいだ。

衆議院議員は、辞書を引くと(a) member of the House of Representativesと出ているが、これも英文メディアではよくLower House memberと呼ばれたり、MP(Member of Parliament)と略称されることが多い。日本の国会の英語名はthe Dietで、Parliamentは一般には英国などの議会を指す言葉だが、そのあたりはあまりこだわらないらしい。

ちなみに、衆議院(下院)議長にはSpeakerという独特の呼び方がある。下院議長に対する呼びかけには"Mr. Speaker"という言い方を使う。

これも国によってまちまちだが、二院制の国における第一院としての下院は、民意を反映させるために解散できるようになっていることが多い。日本や英国など議院内閣制を採っている多くの国では、首相はふつう下院から選出される。

先日の衆議院解散では、「参議院で法案が否決されたのに衆議院を解散するのはおかしい」だの、憲法違反だのとグチをこぼす与党議員がいたのには呆れた。この国の憲法(第7条)では、衆議院の解散は内閣(首相)の専権事項。首相が衆議院を解散したければ解散できるわけで、今回の解散もまたそういう人物を総裁に推しいただいた与党の自己責任というものだろう。

前にコラム「英楽通法」(連載第76回「国会」)でも触れたが、国によって議会制度の背景も仕組みも異なり、呼び方も様々だ。私はたまたま政治学を専攻していたのである程度はわかるが、これから勉強してみたい方は一度整理しておくといいかもしれない。 

(メルマガ「英語屋さんの作りかた」第50号掲載) ©Yoshifumi Urade 2005
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# by eigoyasan | 2005-09-24 14:27 | こんな英語、見つけたよ

Kyosei(共生、symbiosis)

使い出したのが学界かそれとも産業界かは定かでないが、「共生」という日本語をKyoseiと書いて国際語として使おうという動きがあるようだ。もっとも、Googleなどで検索してみると、少なくともインターネットで見る限りは、この意味でのKyoseiはまだそれほど定着していないようだ。

「共生」に当たるsymbiosisという英語があるので、Kyoseiという単語が普及するまではその単語を併記したほうがいいかもしれない。ただし、symbiosisという単語は、どちらかといえば、たとえばアリとアリマキがお互いに利益を与えながら生存する関係を表した、生物学的な用語として使われることが多い。

いっぽう、ビジネスなどでスローガンとして使われるKyoseiという言葉は、これとは少し違った概念、どちらかといえば「共存共栄」とか、生態系や秩序を破壊することなくともに生存するといった意味合いで使われているようだ。生物学用語で言うところの「共生(=symbiosis)」とは明らかに違う。

日本語の単語が国際語化するのは大いにけっこうだが、伝える側と伝えられる側がその定義をよく知らないままに使うのは剣呑だ。特にまだ普及していない言葉を使う場合は、どこかにその意味をきちんと定義しておくといいだろう。

(メルマガ「英語屋さんの作りかた」第24号掲載) ©Yoshifumi Urade 2004
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# by eigoyasan | 2005-09-09 18:35 | こんな英語、見つけたよ

warmonger(戦争屋)

大学受験の前だったか、それとも大学に入ってからだったかは忘れたが、warmonger(戦争屋)という単語を覚えたのを最近ふと思い出した。「戦争屋、戦争挑発者」という意味だが、電子辞書に入っている『ロングマン現代アメリカ英語辞典』を引くと、someone, especially a politician, who is eager to start a war to achieve an aim (目的を達成するために戦争を始める人、特に政治家)とその意味が明快に定義されていた。

要するに、自らの利益を追求するために戦争を仕掛ける手合いのことを俗に言った言葉がこれである。比較的平和な時代が続いていたせいか、この言葉はしばらく記憶の片隅に眠っていたが、最近の国際情勢を見てにわかにwarmongerが多くなったと感じるこの頃である。

ちなみに、BushまたはCheneyとこのwarmongerの2語をGoogleに入れると、面白いほど検索結果がたくさん出てくる。あまりレッテルを貼りつけるような評価は避けるべきだとは思うが、インターネットを使って世界の人々と物の見方を共有してみる視点もまた大切だろう。

(メルマガ「英語屋さんの作りかた」第19号掲載) ©Yoshifumi Urade 2004
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# by eigoyasan | 2005-08-14 20:31 | こんな英語、見つけたよ
日本のマスコミが平和主義を志向しているのはまことに結構なのだが、軍備とか安全保障の問題について不見識な関係者が多いようだ。わざわざイラクまで自衛隊の取材に行って「この装甲車は頑丈そうです」と伝えてきたのんきなレポーターがいたのには、あきれてしまった。まるで、「この機関銃は弾丸を続けて発射することができます」と伝えているようなものだ。「装甲車」なのだから、頑丈なのは言わずもがなだ。

もっとも、軍事を顧みなくなって久しい戦後の日本人には、言葉だけでなく、その言葉で表されている事物や行為そのものを知らないことがある。mothballという言葉もそのひとつだろう。"USS Iowa has been mothballed."などと書いてあっても、「USSアイオワをモスボールした」と訳したのでは、何のことやらさっぱりわかるまい。

mothballの元々の意味は、かつてトイレでよく見かけたナフタリンでできた防虫剤の玉のこと。転じて、軍艦をいったん退役させて長期保存用の処理を施すことをいう。米国では、たとえば大型戦艦のように、今日では無用の長物になった旧型の軍艦をmothballすることがある。完全にスクラップにするのではなく、いざ有事というときには現役に復帰させるためである。前掲の文は、「米国軍艦アイオワを予備役として長期保存(のための処理を施)した」という意味なのである(戦後の日本にそういう慣行がないせいか、一語でぴったり当てはまる日本語が見当たらない…)。

日本の海上自衛隊は、艦の保有数が法律で制限されているらしく、最新鋭の新造艦ができると旧型艦は退役させてしまうらしい。もったいない話だが、予備役に回すこともできないし、軍事技術が詰まった船を外国に売却することもできないのだろう。平時の軍隊というのも、コストがかかるものだ。

(メルマガ「英語屋さんの作りかた」第18号掲載) ©Yoshifumi Urade 2004
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# by eigoyasan | 2005-07-31 15:25 | こんな英語、見つけたよ
翻訳原稿や参考資料がPDFファイルで支給されるのはいいのですが、開いてみるとウィンドウの左隅に鍵のマークが表示され、テキストのコピーが禁止されていてがっかりすることがよくあります。これでは、英文表記のまま残しておくべき部分や数字をそのままコピーして使えばいい部分まで、いちいちタイプしなおさなければなりません。

そこでまたインターネットであれこれ探し回ってみたところ、とても便利な閲覧ソフトが見つかりました。(株)オーシャンブリッジが提供している 無料ビューワのBrava! Readerがそれ。これを使ってPDFファイルを読み出してから、ツールバーの「編集」→「選択」を選ぶと、保護されていない普通の文書とまったく同様に、マウスで範囲を指定してからCtrl+Cでテキストをコピーすることができます。

日本語文書の場合、多少文字化けがあるようですが、英文については特に問題はないようです。その文字化け対策についても、同社のウェブサイトの無料ダウンロードのページの「サポート情報」に説明がありますので、必要な方はよくお読みになってからお使いください。

元ファイルの著作権を尊重することはもちろん大切ですが、著作権に関係のない文書まで「保護」されるのは困ったもの。貴重な解決策を無償で提供しているこの会社に感謝します。
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# by eigoyasan | 2005-07-25 15:00 | 仕事の小道具

caucus(党員集会)

アメリカ合衆国の大統領候補を選ぶ選挙の仕組みは複雑だ。まず、共和党と民主党それぞれで候補者を1人に絞るための選挙運動が延々と続く。不思議なことに、州によって代議員を選出する時期や形態が微妙に異なる。予備選挙(primary)をやる州もあれば、党員集会(コーカス、caucus)という集会形式で候補者を絞る州もある。

予備選挙は「選挙」なのでまだ察しもつくが、党員集会のほうは今まで、どういうものかいまひとつピンと来なかった。そう思っていたら、前回の大統領選挙でどこかのテレビ局の報道番組がコーカスの様子を伝えてくれた。

机も何もない広い講堂や大教室のようなところに党員が集まって、「○○候補を支持する人は手を上げて、こっちに来て!」などといいながら、自分が支持する候補の支持者を増やしていく。なんだか学級委員の選挙みたいというか、昔遊んだ「花いちもんめ」にもどこか似ていて、見ているとどこか面白い。参加したらもっと面白いのかもしれない。

いっぽう、いちおうは民主主義国家の一市民である私が住んでいる地域は、地方自治体首長の選挙には与野党の相乗り候補しか出ないようなところで、具体的政策も人柄もほとんど聞こえてこない候補者だけの選挙にちょっとうんざりしている。

選挙への関心が薄れて投票率が低下しがちで、民主主義が形骸化してきた今こそ、もっと違った形の民主政治を考えるべき時期に来ているのかもしれない。

(メルマガ「英語屋さんの作りかた」第17号掲載) ©Yoshifumi Urade 2004
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# by eigoyasan | 2005-07-17 22:15 | こんな英語、見つけたよ

best before(賞味期限)

先日、英国の知らない会社から来た依頼の中に"Best before: see base."という文言があった。これだけなら何のことやらピンと来ないが、その前に食品の原材料の記述があったので、「ああ、缶詰などの底に書いてある『賞味期限:底面(缶底)に記載』とかいうあれだな」と気付いた。

実は英語圏で生活経験のない私の場合は、日用品に記載されているこの種のありふれた言葉を見慣れていないので、少し苦手だ。

たとえ海外からの輸入品でも、日本で売られている食品の類はほとんどその上から日本語のラベルが貼ってあるので、英語では何と書いてあるのか気付かない。法律か何かでそう決められているのだろうが、日本国内在住の外国人にはかえって不便のような気もする。

特に食品の原材料については、アレルギーのある人には生命にかかわる問題にもなりかねない。せっかく英語で書いてあるなら、それはそれで読めるように、日本語のラベルは別の場所に貼っておくような配慮があってもいいように思う。

なお日本語でいう「賞味期限」は、現在では生鮮食品などの「消費期限」と、加工食品などの「品質保持期限」に区別されている。私はこの分野の専門家ではないのでよくは知らないが、広義の「賞味期限」は後者の意味にほぼ近いようだ。英語にはこのほか、shelf lifeという言い方もある。覚えておくと便利だ。

(メルマガ「英語屋さんの作りかた」第15号掲載) ©Yoshifumi Urade 2004
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# by eigoyasan | 2005-07-09 09:02 | こんな英語、見つけたよ
特に海外のお客様から納期の短い仕事の依頼が入ってきたとき、頭の悪い私はさっと時差の計算ができずに悩んでいました。

そこで見つけてきてパソコンにインストールしたフリーウェアがWorld Watch (Qenさん作)。この世界時計のいいところは、アナログ/デジタル時計の表示だけでなく、背景色やアイコンが刻々と変わって各都市の朝昼夜が視覚的にとらえられること。さらに自分に必要な都市だけを選んで好きな順番に表示させることができるなど、とても使いやすいデザインになっています。

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# by eigoyasan | 2005-07-01 12:42 | 仕事の小道具

行くネコ、来るネコ

d0032027_18132382.jpg先月、ドラを失ったあとにまた悲しい出来事がありました。この家の庭先で6年間も暮らしていた外ネコのミケが突然、行方不明になってしまったのです。チラシを作って近所中を尋ねて回りましたが、影も形も見えません。これで当家のネコはただ一匹、ミケの姉妹のクロちゃんだけになりました。

このように悲しい思いはしたくないので、今後はもう新しいネコは飼いたくない…と思っていた矢先のこと。ドラが亡くなる数日前から庭先に出没していたノラネコが、家から離れなくなってしまいました。

この子は今年2歳のオス。ノラネコなのになぜ年齢がわかるのかというと、去年の今ごろ、生まれて間もないこの子が庭に入ってきたのをよく見ていたからです。「ニ、ニ、アン、アン」と、あまりネコらしくない声をあげていたこの子を、私は勝手に「ニーくん」と呼んでいました。

ひさしぶりに見るニーくんはすっかり大きくなっていました。どこかでご飯をもらってここまで育ったのでしょう。それでも、ミケの残したご飯を食べようとするので、仕方なく別の皿にご飯を入れてあげていたら、頻繁に通ってくるようになりました。オスにしては気の弱いニーくんは、ミケに威嚇されると怯えて逃げましたが、いつの間にかまた戻っていました。

ミケが姿を消したあと、ニーくんはすっかり家の軒先に居ついてしまいました。ドラが残していったネコ缶をあげながら、私は内心、「男の子だから、そのうち旅に出ちゃうね」と、いなくなってくれることを期待していました。ところが、このニーくんが急に何も食べなくなりました。だるそうにして動かないので、身体を触ってみるとかなり熱い。やむなく、ドラがお世話になった獣医の先生のところに連れていきました。

ニーくんは1週間ほどで退院できました。幸い、大きな病気ではなかったのですが、このひ弱さでは、ノラネコとしてそれほど長く生きられないのは目に見えています。家内と相談して、ドラのいなくなった家の中で飼うことにしました。

家に連れ帰ったニーくんをそっと出してやると、臆病な彼が真っ先に飛び込んだのは、あの静かな和室の奥の物入れでした。ドラが永遠の眠りについたまさにその場所に潜り込んで、そこから私たちのほうをじっと見ていました。

その日はそこからほとんど出てこなかったニーくんも、翌朝にはもうすっかり慣れて、部屋の中を歩き回るようになりました。さわってみると、「ゴロゴロゴロ!」と勢いよくのどを鳴らします。どうやらこの家がすっかり気に入ったようで、外に出たがるそぶりも見せません。

私が「大丈夫? ドラちゃんの跡を継げるの?」と声をかけると、ニーくんはひとこと「アン」と答えました。こうして、また新しいネコとの暮らしが始まりました。
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# by eigoyasan | 2005-06-26 18:13 | Milestones
いわゆる受験英語で育った私のような人間は、やたらと長い単語は知っているくせに、日常よく使われている簡潔な語彙に欠ける傾向がある。一世紀ほど前に書かれたような「試験によく出る」評論文や長文ばかり読まされてきた報いかもしれない。

かつて翻訳を頼まれたアメリカ英語の表現集(注)に、"Picky picky picky."という表現が出てきた。私がよく校正を頼む米国人がときどき「こだわりすぎだったね」という意味でそうメールに書いてくるので知っていたものの、その意味や使い方を私が知ったのはそれほど昔のことではない。

pickyは「えり好みする、あら捜しする」という意味の形容詞である。辞書を見ると口語表現となっているが、けっこうよく使われているようだ。米国のテレビ放送局のニュースサイトを見ていたら、"U.S. Workers too picky?"(米国の労働者は仕事を選びすぎ?)という見出しが出ていた。

このように短く簡潔な言葉は、見出し(headlines)で好んで使われる。たとえば、ヘリコプター(helicopter)の墜落事故に関する記事の見出しはChopper Crashed(ヘリ墜落)のように書いてあることが多い。

もちろん、書き言葉としてよく使う重厚な単語を知っていることは悪いことではない。だが、自戒の念も込めて言えば、私のような日本育ちの英語使いは、こういった"軽いノリの英語"をあまり知らないようだ。

(注)『バーダマン教授の 辞書には出ていないアメリカ英語フレーズBOOK』(James M. Vardaman著、拙訳)

(メルマガ「英語屋さんの作りかた」第14号掲載) ©Yoshifumi Urade 2004
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# by eigoyasan | 2005-06-21 12:33 | こんな英語、見つけたよ