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by eigoyasan

行くネコ、来るネコ

行くネコ、来るネコ_d0032027_18132382.jpg先月、ドラを失ったあとにまた悲しい出来事がありました。この家の庭先で6年間も暮らしていた外ネコのミケが突然、行方不明になってしまったのです。チラシを作って近所中を尋ねて回りましたが、影も形も見えません。これで当家のネコはただ一匹、ミケの姉妹のクロちゃんだけになりました。

このように悲しい思いはしたくないので、今後はもう新しいネコは飼いたくない…と思っていた矢先のこと。ドラが亡くなる数日前から庭先に出没していたノラネコが、家から離れなくなってしまいました。

この子は今年2歳のオス。ノラネコなのになぜ年齢がわかるのかというと、去年の今ごろ、生まれて間もないこの子が庭に入ってきたのをよく見ていたからです。「ニ、ニ、アン、アン」と、あまりネコらしくない声をあげていたこの子を、私は勝手に「ニーくん」と呼んでいました。

ひさしぶりに見るニーくんはすっかり大きくなっていました。どこかでご飯をもらってここまで育ったのでしょう。それでも、ミケの残したご飯を食べようとするので、仕方なく別の皿にご飯を入れてあげていたら、頻繁に通ってくるようになりました。オスにしては気の弱いニーくんは、ミケに威嚇されると怯えて逃げましたが、いつの間にかまた戻っていました。

ミケが姿を消したあと、ニーくんはすっかり家の軒先に居ついてしまいました。ドラが残していったネコ缶をあげながら、私は内心、「男の子だから、そのうち旅に出ちゃうね」と、いなくなってくれることを期待していました。ところが、このニーくんが急に何も食べなくなりました。だるそうにして動かないので、身体を触ってみるとかなり熱い。やむなく、ドラがお世話になった獣医の先生のところに連れていきました。

ニーくんは1週間ほどで退院できました。幸い、大きな病気ではなかったのですが、このひ弱さでは、ノラネコとしてそれほど長く生きられないのは目に見えています。家内と相談して、ドラのいなくなった家の中で飼うことにしました。

家に連れ帰ったニーくんをそっと出してやると、臆病な彼が真っ先に飛び込んだのは、あの静かな和室の奥の物入れでした。ドラが永遠の眠りについたまさにその場所に潜り込んで、そこから私たちのほうをじっと見ていました。

その日はそこからほとんど出てこなかったニーくんも、翌朝にはもうすっかり慣れて、部屋の中を歩き回るようになりました。さわってみると、「ゴロゴロゴロ!」と勢いよくのどを鳴らします。どうやらこの家がすっかり気に入ったようで、外に出たがるそぶりも見せません。

私が「大丈夫? ドラちゃんの跡を継げるの?」と声をかけると、ニーくんはひとこと「アン」と答えました。こうして、また新しいネコとの暮らしが始まりました。
by eigoyasan | 2005-06-26 18:13 | Milestones