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by eigoyasan

minute-by-minute(分刻みの)

100人を越える犠牲者と多数の負傷者を出したJR福知山線の列車事故は海外のマスメディアでも大きく伝えられたという。

その中で、分刻みで運行予定を守る日本の鉄道システムに対する驚嘆の声もあったようだ。私がときどきインターネットで見ている米国のテレビ局のニュースでも、特派員が"Even subways keep a strict, minute-by-minute schedule."(地下鉄でさえ、厳密な分刻みのスケジュールを守っている)と伝えていた。

もっとも、ときどき都営地下鉄を使っている個人的な経験からいうと、これは少し言いすぎではないかと思う。都営大江戸線が数分遅れることはよくある。都庁前の分岐点の接続も悪く、よく待たされる。通勤していない私でさえそう感じるのだから、毎日乗っている人はもっとそう思っているに違いない。これも、あくせく利益追求に走らない公営交通ならではかもしれない。赤字続きも困るが、利便性よりも安全性を考えると、少しくらい遅れるよりも安全確認を重視してもらったほうがいい。

鉄道会社や路線によっては、伝えられるように文字通り「分刻み」のスケジュールを守っているところもあるだろう。しかし、報道機関がこのように一般化して伝えると、逆に良からぬ誤信を招く危険がある。いわゆる「安全神話」とやらもそうだ。調べて言っているわけではないが、先進国の中で日本だけが抜きん出て公共輸送機関の事故発生率が低いということはおそらくないだろう。

安全面でも利便性でも日本人のやることはことごとく完璧だという過信が、日本企業の油断を招いてきたような気がしてならない。

(メルマガ「英語屋さんの作りかた」第45号掲載) ©Yoshifumi Urade 2005
by eigoyasan | 2005-05-14 16:03 | こんな英語、見つけたよ