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by eigoyasan

fire(クビにする、発砲する)

fireという単語を「火」とか「火事」という意味の名詞で使うのは中学生でも知っている。高校生くらいになると、「火をつける、発砲する、(大砲など)を発射する」という意味の動詞として学ぶ。その昔読んだ子供向けの冒険小説には、大砲の後部から出ている火縄にタイマツで火をつけるような挿絵で読んだが、おそらくそのあたりが語源だろう。

現代の大砲はもちろんそんなふうには発射しないが、「発射!」という号令には今でも"Fire!"という英語が使われる。SF映画を見ても、"Phaser, fire!"(フェイザー砲、発射!)などというセリフが聞かれる。フェイザー砲なるものがどういう原理の兵器かは知らないが、まさかタイマツで火はつけまい。

さらに大人になると、今度はfireが「クビにする、解雇する」という少し嫌な意味でも使われることを知る。もともとは口語表現だったらしいが、辞書で「解雇する」と引くと出てくるdismissといった単語よりも見聞きすることが多いようだ。

もっとも、映画やドラマで見かけるように、相手に面と向かって"You're fired!"(おまえはクビだ!)などと怒鳴る上司はほとんどいないらしい。それはそうだろう。常識的にはもっと婉曲な言い方をするはずだ。

直接的な表現で「クビ」「解雇」「人員整理」などというのが忌み嫌われているのか、この国では最近「リストラする」という言葉がその意味でよく使われている。しかし、英語のrestructuringとは「再構築、再構成」の意味であって、restructureされるのはcompany(会社)のようなorganization(組織)、せいぜいjob(仕事)である。「従業員(人)をrestuctureする」という言い方はしない。

(メルマガ「英語屋さんの作りかた」第6号掲載、一部加筆) ©Yoshifumi Urade 2003
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by eigoyasan | 2005-05-21 15:56 | こんな英語、見つけたよ